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ピッコマのSMARTOON総合ランキング上位に居座り続け、累計8,432万閲覧という桁違いの数字を叩き出しているのが『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』です。
復讐ものの主人公は、たいてい「悪女と呼ばれた自分は本当は違う」と潔白を証明しようとします。ところが本作の主人公が二度目の人生で下した決断は正反対でした。「本当の悪女になる」——この宣言から始まる復讐劇です。ここではあらすじ・登場人物・見どころを、結末に触れない範囲で紹介します。

『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』のあらすじ
ベリエ王国の第一王女ラースは、祖国と家族のために敵国との戦いへ身を投じました。しかし戦いの果てに捕虜となってしまいます。
待っていたのは救出ではありませんでした。家族はラースをスケープゴートとして利用し尽くし、祖国は彼女を「悪女」として蔑みます。すべてを捧げた相手に切り捨てられ、ラースは悲劇のうちに人生を終えました。
ところが彼女は偶然にも、過去に戻って二度目の人生をやり直すチャンスを得ます。そこでラースは決意しました。自分を陥れた家族と敵に、必ず復讐を果たすこと。そして今度こそ、本当の「悪女」になることを。
復讐の足掛かりとして彼女が選んだ手段は、常識外れでした。一度目の人生で敵対した「シャリオルト帝国」に、自ら嫁ぐのです。帝国の力を利用して、祖国と家族に復讐を果たすために。
帝国で彼女を待ち受けていたのは、夫となる孤高の暴君ゼフォン。そして、かつて捕虜だったラースを虐げたゼフォンの愛人たちでした。当初ゼフォンは妻を政治の道具としか見ていません。しかし愛人たちとの戦いの中でラースが見せる気高さと力が、彼の心境を少しずつ変えていきます——。

主要登場人物
ラース
本作の主人公。ベリエ王国の第一王女で、一度目の人生では祖国と家族のためにすべてを捧げ、その果てに家族自身の手で切り捨てられました。二度目の人生で彼女が選んだのは、汚名をそそぐことではなく、汚名を武器にすることです。「悪女」と呼ばれるなら、その通りに振る舞って利用すればいい——この割り切りが彼女の強さの源になっています。ただし本作が優れているのは、彼女を冷酷なだけの人物として描いていない点です。本当は誰よりも家族を愛していた王女だからこそ、悪女を演じる選択に重みが生まれています。
ゼフォン
シャリオルト帝国の皇帝であり、ラースの夫となる人物。孤高の暴君として恐れられています。政略結婚で迎えた妻を、当初は政治の道具としか見なしていません。しかし彼もまた、周囲を信用できない立場に置かれ続けてきた人物です。互いに相手を利用するつもりで結ばれた二人が、愛人たちとの争いを通して少しずつ相手を認めていく過程が本作のロマンスの軸になっています。最初から甘い関係ではないぶん、距離が縮まる瞬間の破壊力は相当なものです。
ゼフォンの愛人たち
帝国でラースを待ち受ける最初の敵。かつて捕虜だったラースを虐げた張本人たちであり、ラースにとっては復讐対象であると同時に、皇后の座を争う相手でもあります。彼女たちとの攻防は、暴力ではなく社交と権謀術数で展開されます。本作の「悪女」ぶりが最も発揮されるのがこの領域で、ラースが表情ひとつ変えずに相手を追い詰めていく場面は本作の名物です。
ベリエ王国の家族
ラースの祖国の家族。一度目の人生で彼女をスケープゴートとして利用し尽くした人々であり、復讐の最終的な標的です。本作の構造で秀逸なのは、ラースが彼らへ直接向かわない点にあります。まず敵国に嫁ぎ、帝国の力を手に入れ、そのうえで祖国に牙を剥く。復讐までの距離が長いぶん、彼女がひとつずつ力を積み上げていく過程を存分に楽しめます。

『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』3つの見どころ
① 「本当の悪女になる」という宣言
復讐ものの多くは、濡れ衣を晴らす物語です。主人公は本当は善良で、それを理解しない周囲が悪い——その構図で読者の共感を集めます。
本作はその前提を捨てました。ラースは「私は悪女ではない」とは言いません。「そう呼びたいなら呼べばいい。ならば本物になってやる」と応じるのです。この開き直りがあるおかげで、彼女の行動には一切の言い訳がありません。手段を選ばず、罪悪感も持たず、目的のために動く。読者が主人公の潔白を心配しなくていいという設計が、本作を最後までストレスなく読ませています。
② 敵国に嫁ぐという復讐の手段
復讐の第一手としてかつての敵国に自ら嫁ぐという選択は、他ではあまり見ない発想です。普通なら祖国に留まって内側から崩すか、力をつけてから攻め込むかを考えます。
ラースは違いました。祖国を滅ぼせるだけの力を、敵国から借りることにしたのです。この一手によって物語は「敵地でどう立ち回るか」という緊張感を得ました。味方はひとりもいない、夫すら信用できない、周囲は自分を虐げた愛人たち——この状況で彼女がどう地歩を築いていくのかが、序盤最大の読みどころです。
③ 暴君との関係が変わっていく過程
本作はロマンスとしても非常に強い作品です。互いに利用し合うだけの関係から始まるため、二人の距離が縮まる過程には一切の甘さがありません。
ゼフォンがラースを見る目が変わるのは、彼女が優しさを見せたときではなく、気高さと力を見せたときです。守られる存在としてではなく、対等な存在として認められていく——この描き方が現代的で、多くの読者を掴んでいる理由でしょう。全196話という長さがあるからこそ、この変化を丁寧に追うことができています。
実は日本発のウェブトゥーンです
本作について、ぜひ知っておいてほしい事実があります。この作品は日本発のウェブトゥーンなのです。
ピッコマの人気上位はほとんどが韓国や中国の作品ですが、本作の原作は天壱氏、制作はソラジマとストレートエッジの共同によるものです。ストレートエッジは『ソードアート・オンライン』などを世に出した編集者による会社で、シナリオ面を支えています。
さらに特筆すべきは、韓国のカカオページへ逆輸出され、リアルタイムランキングで2位を獲得していることです。ウェブトゥーンの本場である韓国で、日本発の作品がここまで評価されるのは簡単なことではありません。
累計8,432万閲覧という数字と合わせて考えると、本作は日本のウェブトゥーン制作が世界水準に到達したことを示す一本と言えます。国産ウェブトゥーンに興味がある人にとっては、まず読むべき作品です。

こんな人におすすめ
復讐もの・ざまぁ系が好きな人に強くおすすめします。復讐の規模が大きく、達成までの道のりが長いぶん、積み上げの快感が大きい作品です。
強いヒロインが好きな人にはたまりません。ラースは守られる立場に一度も甘んじません。
身分差・政略結婚のロマンスが好きな人にも向いています。暴君と悪女という組み合わせは、王道でありながら本作独自の緊張感があります。
国産ウェブトゥーンを試したい人にとっても最良の入り口です。
一方で、明るく気楽な作品を求めている人には重く感じられるかもしれません。序盤はラースが受けた仕打ちが容赦なく描かれます。
『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』はどこで読める?
読む方法は2つあります。ここは少しややこしいので整理しておきます。
① タテ読みフルカラー版(ピッコマ)
オリジナルの縦読みフルカラー版はピッコマで先行配信されています。日曜連載で、全196話のうち187話が配信済み(2026年8月時点)。冒頭4話分は常時無料で、それ以降も「待てば¥0」で1話ずつ無料で読み進められます。最新話をいち早く追いたいならこちらです。
② 単行本(コミックス)版
本作は双葉社のモンスターコミックスfから単行本が刊行されています。2024年4月の第1巻を皮切りに、現在第9巻まで発売中です。
単行本版はピッコマ以外でも購入でき、電子書籍ストアや紙の書籍として入手できます。縦読みが苦手な人、手元に置いて読み返したい人、まとめて一気に読みたい人には単行本版が向いています。全196話という長さを待てば¥0で追うのは時間がかかるため、途中から単行本に切り替える読み方も現実的です。
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まとめ
『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』は、「悪女と呼ばれるなら本物になってやる」という開き直りを起点にした、迷いのない復讐ロマンスです。潔白の証明に費やす時間がないぶん物語の推進力が強く、全196話を一息に読ませます。
敵国に自ら嫁ぐという復讐の組み立て方、対等な存在として認め合っていく暴君との関係、そして日本発でありながら本場韓国でも評価されたという事実——語るべき要素の多い作品です。累計8,432万閲覧という数字は、その面白さの証明と言っていいでしょう。





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