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2026年10月3日からNHK Eテレでアニメが始まるファンタジーが、岩本ナオさんの『マロニエ王国の七人の騎士』です。
小学館「月刊フラワーズ」で2016年から連載され、既刊11巻。「このマンガがすごい!2018」オンナ編で1位を獲得しています。しかも作者の岩本ナオさんは前年も同賞で1位で、同じ作家が2年連続1位というのは史上初の記録です。
本作でまず驚くのは、七人の名前です。長男は「眠くない」、七男は「ハラペコ」。ここではあらすじ・登場人物・見どころを、結末に触れない範囲で紹介します。

『マロニエ王国の七人の騎士』のあらすじ
舞台は、8つの国が並び立つ大陸です。
20年前、異常気象によって「大恐慌」と呼ばれる事態が起こりました。作物は実らず、人々は困窮し、国と国の関係も冷え込んでいきます。とくに悪化したのが、北の寒い国とマロニエ王国の関係でした。
この状況を動かすため、マロニエ王国の将軍バリバラが送り出したのが、自らの七人の息子たちです。
彼らは外交使節として、それぞれの国へ赴きます。戦うためではなく、関係を結び直すために。
そして七人は、ただの兄弟ではありませんでした。それぞれが特異な力を持っています——眠らない長男、一瞬だけ相手を信頼させる次男、氷を操る三男、炎を操る四男、獣と話す五男、剣の達人である六男、植物を操る七男。
個性も能力もばらばらな七人が、それぞれの国で人と出会い、ときに衝突しながら、運命の相手を見つけていく。国と国の話でありながら、根っこにあるのはひとりひとりの出会いの物語です。

『マロニエ王国の七人の騎士』の七人の兄弟
本作の名前の付け方は独特で、その人物の性質や能力がそのまま名前になっています。覚えやすく、同時にキャラクターの説明にもなっている巧みな設計です。
| 兄弟 | 名前 | 性質・能力 | 声優 |
|---|---|---|---|
| 長男 | 眠くない | 夜のあいだ眠らずにいられる。他者を眠らせる力 | 高梨謙吾 |
| 次男 | 博愛 | 交友関係が広い。一瞬だけ相手に信頼させる力 | 谷川誠 |
| 三男 | 暑がりや | 暑さに弱い。氷を操る力 | 石谷春貴 |
| 四男 | 寒がりや | 寒さに弱い。炎を操る力 | 猪股慧士 |
| 五男 | 獣使い | 動物と会話し、動かす力 | 水野清人 |
| 六男 | 剣自慢 | 剣術の達人 | 村田太志 |
| 七男 | ハラペコ | 大食い。植物を操る力 | 川島零士 |
三男「暑がりや」が氷を操り、四男「寒がりや」が炎を操る——この対になった設定が特に面白いところです。暑さに弱いから氷を出せるのか、氷を出せるから暑さに弱いのか。能力と体質が裏表になっている造形が、七人それぞれに施されています。
バリバラ
七人の母であり、マロニエ王国の将軍。息子たちを外交使節として各国へ送り出した人物です。声優は渡辺明乃さん。
姫(ブルーノ)
マロニエ王国の姫。男装して「ブルーノ」と名乗っています。
エレオノーラ
長男「眠くない」の婚約者で、城代家の娘。七人の物語のなかで、最初から関係が定まっている数少ない相手です。
ヒンヤリ
北の寒い国出身の謎の青年。七人と同じ種類の力を持っています。マロニエ王国と寒い国の対立という物語の軸に、直接関わってくる存在です。

『マロニエ王国の七人の騎士』4つの見どころ
① 名前がそのままキャラクター紹介になっている
七人の名前は「眠くない」「博愛」「暑がりや」「寒がりや」「獣使い」「剣自慢」「ハラペコ」。読んだ瞬間にどんな人物か分かります。
七人兄弟という設定は、普通なら誰が誰だか分からなくなるという致命的な問題を抱えます。本作はその問題を、名前の付け方だけで解決しました。しかも名前が能力とも体質とも結びついているので、覚える手間がほぼゼロで七人を区別できます。この一点だけでも、構成として非常によくできた作品です。
② 戦争ではなく「外交」の物語であること
七人が送り出される理由は、征服でも防衛でもありません。冷え込んだ国同士の関係を結び直すことです。
大恐慌という災厄によって人々が困窮し、その結果として国と国が反目する——という下地があるため、七人がやることは戦って勝つことではなく、相手を理解して関係を作ることになります。ファンタジーでありながらバトルが目的にならない構造で、NHK Eテレという放送枠とも噛み合っています。
③ 「運命の相手を見つける」という群像の形
本作は七人それぞれが別の国へ赴き、それぞれの出会いを経験します。つまり七つの物語が並行して進む群像劇です。
国と国の関係という大きな話を扱いながら、実際に描かれるのはひとりの人間ともうひとりの人間が出会う場面。大きな主題を、小さな関係の積み重ねで語るという構成になっています。長男「眠くない」には婚約者のエレオノーラがすでにいるなど、七人が同じパターンを繰り返さないよう配置されているのも周到です。
④ 「このマンガがすごい!」1位という評価
本作は「このマンガがすごい!2018」オンナ編で1位を獲得しています。
特筆すべきは、作者の岩本ナオさんが前年にも同賞で1位を取っていることです。同じ作家が2年連続で1位というのは史上初の記録でした。連載は2016年から10年続いており、英語・スペイン語・インドネシア語・タイ語・中国語版も刊行されています。評価と継続の両方を備えた作品だと言えます。

TVアニメの情報
TVアニメ『マロニエ王国の七人の騎士』は2026年10月3日から、NHK Eテレで毎週土曜18時25分に放送されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送開始 | 2026年10月3日(土) |
| 放送局・時間 | NHK Eテレ/毎週土曜 18:25〜 |
| アニメーション制作 | J.C.STAFF |
| 監督 | 佐山聖子 |
| シリーズ構成・脚本 | 藤田伸三 |
| キャラクターデザイン | 前田ゆり子 |
| 音楽 | 藤澤慶昌 |
| ナレーション | 速水奨 |
土曜18時25分という枠は、この作品にとってかなり良い条件です。深夜ではなく夕方で、しかもNHK Eテレ。家族で観られる時間帯に置かれたことは、本作が持つ「戦わないファンタジー」という性格と一致しています。
ナレーションに速水奨さんを立てているのも印象的で、群像劇として物語を俯瞰する語り手を置く構えだと分かります。
『マロニエ王国の七人の騎士』はどこで読める?
連載は小学館の「月刊フラワーズ」。単行本は既刊11巻で、紙・電子のどちらでも購入できます(2026年8月時点)。
2016年11月号から連載が始まり、現在も継続中です。10年で11巻というペースなので、追いつくのに時間はかかりません。アニメ放送開始まで1か月あるので、いまから読み始めても十分間に合います。
なお本作はKindle Unlimited・BOOK☆WALKERの読み放題ともに対象外です(2026年8月時点で確認)。読み放題で読める作品を探している場合は、Kindle Unlimitedの対象作品をまとめた記事のほうが参考になります。
電子書籍ストアごとに初回クーポンや還元率が違うので、11巻をまとめ買いするなら電子書籍サービスの比較記事で確認してから選ぶと差が出ます。
こんな人におすすめ
戦わないファンタジーを読みたい人にまずおすすめします。能力を持つ七人が主人公ですが、目的は勝つことではなく関係を結び直すことです。
群像劇が好きな人にも向いています。七人それぞれに出会いがあり、七つの物語が並行して進みます。
評価の定まった作品から読みたい人には安心して勧められます。「このマンガがすごい!」1位、2年連続受賞という実績があります。
アニメの予習をしたい人には今がちょうどいい時期です。11巻なら1か月で十分読めます。
一方で、派手なバトルや強さのインフレを求める人には向きません。本作の力は問題を解決する道具であって、勝敗を決めるためのものではありません。
まとめ
『マロニエ王国の七人の騎士』は、大恐慌によって冷え込んだ国同士の関係を結び直すため、将軍の母に送り出された七人の兄弟が、それぞれの国で出会いを重ねていくファンタジーです。
名前がそのまま人物紹介になっている設計、戦争ではなく外交という主題、七つの出会いが並行する群像の形。七人兄弟という難しい設定を、構成の工夫だけで読みやすくしているのが本作の非凡なところです。「このマンガがすごい!」2年連続1位という記録も、その完成度の裏づけでしょう。
アニメの放送開始は2026年10月3日、NHK Eテレ土曜18時25分。既刊11巻なので、放送までに追いつくのは十分可能です。夕方の枠で家族と観る作品としても、これ以上ない選択だと思います。




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